掃除が好きな人、キライな人
部屋をきれいにする。家でも学校でも、会社でも、日々の生活で大切なこととして認識しているでしょう。汚い部屋では、気分を害することもあるでしょうし、ものがバラバラな状態では、必要なものを探すことも時間がかかってしまう。
日常の「探す」という必要悪な時間を減らすためにも、「片付ける」「掃除する」ことはとても重要な生活習慣なのです。
それでも、「掃除が苦手」という人がいる。モノを片付けることが気持ちよいといって、毎日のように、物を使うたび、暇さえあれば掃除をする人がいるのに、やっぱり苦手な人がいる。
なぜ、「掃除が苦手」意識がうまれてしまうのか。それは、「整理がつかない」という思考の問題と、整理されていない現実を「認識したくない」という2つの要素があると思うのです。
もはや、頭の中の混乱ですね。モノを使うたびに、考えるから、余計に疲れる。整理が上手い人は、「分類ができていて、わかりやすい」ので、使用するたびに考える必要がないのです。
ですから、「掃除をする」とは、日々の優先順位に合わせて「モノを並び替える」ことであり、次の行動や生活への「準備」をすることでもあるのです。
揃えたり、在庫を補充したり、並べ替えたり・・・これらは、「整理する場所と順番」が決まって無い限り、意味のない行動になってしまいます。まずは、モノの全容を1個ずつではなく、大きな枠組みで捉えることからオススメします。
掃除をすること=整理して考えること
掃除とは、モノが整理できて、使いやすい状態で置かれたり、収納されたりするということ。つまり、「モノの優先順位」がつけられているということなのです。
掃除が苦手な人はまずこれを理解していない。やっているのは、「整理」ではなく「陳列」なのです。ここが大きな違い。
モノは「飾る」のではなく、「使って」こそのもの。陳列に時間をかけ、片付けたと思い、日々使いながら崩れていく。そして、ごちゃごちゃに積み重ねる。
片付けができない人の特徴として、
「端(はじ)に寄せて、積む」
これを繰り返すから、まるで壁沿いにまるで蟻塚のような部屋ができあがるわけです。
崩れた山からモノを探して、しまう場所も決まってないから、「とりあえず」その辺に置く。ただ、放置するのは忍びないから、「とりあえず」端の方に置く。そしてわからなくなる。もう迷宮に自ら入っていくようなものです。
モノの優先順位をつけよう
掃除で大事なことは、「分類」です。まずは「部屋」の役割。何をする場所なのか。
「寝る」「食べる」「過ごす(勉強・作業)」「落ち着く(見る・読む)」など、空間によって生活の上でやることは決まっているはずです。「部屋=やること」を一致させるのも、掃除を簡単にさせることが可能です。これが「大項目」の話。
次に、「優先順位」をつける「中項目」。「すぐ使う」「保管する」「捨てる」の3種類で分類していく。ただし、ここで大切なのは「1個1個のモノ」を判断するのではなく、「使う」前提での分類を決めること。
例えば、「絵画」が趣味で、それが「毎日」やることなのか、「週1回」なのか、「年に何回か」によって、しまい方としまう場所は異なります。日々使うものなのに、押し入れの奥にいれたら、探すのも出すのも大変で、億劫になっていくことでしょう。
一方で、頻度が低い場合、「使う」となったときに、必要なものがすべてそろっていることが重要で、できればそれらに必要な道具をまとめてボックスに入れるなどして、「やること=ボックス」単位で収納していくことで、モノがまとまって保管されるようになります。
年数が経つほどにモノが増えていくだけでは、意味がありません。やはり、やって楽しむことが大切で、整理整頓され、掃除された状態であれば、いつ思い立ったとしても、気持ちよく使うことができるでしょう。これが掃除の醍醐味です。
1年使わないものは、いらないもの
あれももったいない。これはあったほうがよい。そういう考え方もよいですが、1年が一つのサイクルと考えた時、例えば、生まれた当時のアルバムなどは一生モノですが、キッチンの製パン道具など、「あったらいい」のまま使わないのであれば、それは「必要のないもの」です。
本を買って、積んでおくだけの人がいますが、それと同じく、モノが部屋にあふれる原因にもなります。年に1度の大掃除などよい機会ですから、「本当に必要なものか」を考えて、
「まとめておく」「保管する」「捨てる」の3つの分類で分けていくことがよいでしょう。
頻度と使い勝手で言うならば、
「まとめておく」→週に1回以上使うもの
「保管する」→ボックスに入れて、収納や押入れへ
「捨てる」→ゴミ回収、粗大ごみ予約などすぐ行動へ
という形で、分類し、行き先をどんどん決めていきましょう。毎度、こんなにモノを買っていたのか、と実感することで、「買う」ことそのものが慎重になってくれば、いい傾向。必要なものを吟味して、大切にモノを扱う生活ができるようになるでしょう。
こうして、整理整頓し、優先順位付けがされ、日々の掃除できれいな状態が続いていければ、頭の中もきちんと整理された状態となり、落ち着いて考えていくことができるでしょう。
「部屋の中は、頭の中」
と考えれば、やはり、記憶や知恵も、思い出しやすいほうがスムーズに考えることができるというもの。まずは身近な「掃除」を行うことで、頭の整理を外部刺激から形にする訓練をしてみてはいかがでしょうか。
だって、頭が整理できている人は、やっぱり部屋がきれいなんですもの。
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