年間約2万人もの人が自殺をする
年始から悲しい事件や知らせが続き、今年の世の中が本当に大丈夫なのか、不安さえ感じてきます。著名人から一般人まで、自らの手で自分の命を殺めてしまう。いろいろな理由があったにせよ、死んでしまえばおしまい。
どんなに苦しんだか、どれほどつらかったか、それは当人にしかわかりませんが、少なからず、シグナルや兆候を出していたはず。それをキャッチして周りが助ける機会がなかったか。もしくは本人が気づいてくれないと思い、決心をしてしまったか。
後悔先に立たずですが、どんな人であれ、命がなくなることは、悲しい出来事です。
日本では、年間約2万人もの人が自殺しています。下記のグラフは、「自殺者数の年次推移」を表したものですが、平成10年を境に、8,000名以上増加して、3万人を突破した後、平成21年からは少しずつ自殺者数は減少の傾向が見られます。
平成10年の出来事といえば、
- 長野オリンピック開幕
- 山一證券経営破綻-”社員は悪くありません!”の会見が有名
- 自民党が敗北し、民主党・共産党が躍進
- 日本長期信用金庫・北海道拓殖銀行が経営破綻
など、経済状況が急速に悪化し、倒産や解雇など労働環境も悪化し、自殺者がいっきに増えることとなりました。経済的な困窮や行き詰まりが、多くの人を自殺に追い込んだと言えるでしょう。
このような高い水準での自殺者数に対し、政府は「自殺対策基本法」を平成18年6月に公布、10月に施行し、自殺防止に取り組んで来ました。その成果が、自殺者数の推移に現れていると行っても過言ではありませんが、それでも2万人を超える人々が、自ら命を断ってしまうことを選択する世の中は、このままで良いわけではありません。
基本法から10年経過した、平成28年には、改正自殺対策基本法に改め、特に「15歳から39歳の各年代の死因の第一位は自殺」という事実を重く受け止め、地域から国に至るまで、包括的な取り組みとセーフティネットを構築すべく対策が進められているのです。
「自殺」は”よくない”ではなく、”させない”こと
自ら命を断ってしまう。それを客観的立場からすれば「よくない」という評価をされがちですが、それを選択してしまう当人にとっては、「それしかない」と追い込まれているからこそ、自死を選んでしまうもの。
したがって、「自殺はよくない」は、他人事の解決策でしかありません。自殺対策で必要なことは「命の模範」となる教科書が必要なのではなく、「あなたは死ななくてもいい」という居場所を作ってあげることにほかなりません。
この世で逃げる場所や落ち着ける場所がなくなってしまうからこそ、「世の中から消えたい」「いなくなりたい」と思うのが1つの兆候。
つらいこと、苦しいことを抱えている人がいれえば、「まずいまの環境から逃げること」が最優先なのです。
学校などでは、夏休みや冬休みなど、長期に渡って、クラスの仲間や友人が離れてしまう環境ほど、「自殺」に至る傾向が強いことから、保護者,地域住民,関係機関等との連携して対策を講じることが進められています。
具体的には、何らかの行事やイベントによって接触を図ることや、PTAや地域と協力しながら、監視の目や挨拶などの接点を維持するなど、目に見えない形での対策が進められているのです。
「おはよう!」「ありがとう」が人を救う
どんな人でも、人は人の中でしか生きることはできません。生きているだけで誰かの助けを必要とし、支えられ、また自分もだれかの役に立ったりもしています。
それは、決して「貢献が高い人」だけが「必要な人」ではなく、「そこにいる」という存在こそが、世の中で「必要とされている」ことなのです。つまり、「生きているだけでいい」のです。
いいことも、悪いことも
成功することも、失敗することも
早いことも、遅いことも
できることも、できないことも
すべての人がいるから、「比較」して見えるだけ。あなたがいなければ、上も下もないのです。
苦しさを抱えている人は、すぐに逃げてください。つらいことがある人は、どこかに助けを求めてください。一人目は断られるかもしれませんが、二人目で救われるかもしれません。居場所はすぐに見つからなくとも、あなたの居場所は「いま」に固定する必要なんてありません。
ルールや課題や問題がたくさんあっても、つらいなら逃げてよいのです。そして、あなたが誰かのために生きている価値を提供できる魔法のコトバがあります。それが「おはよう!」であり「ありがとう」なのです。
たったそれだけで、あなたは誰でも救うことができる。優れた才能や、お金を稼げなくとも構わない。挨拶や感謝こそが、私達が誰かを支えるためにできる能力なのです。
年始から悲しい出来事があり、「わたしも・・・」などと連鎖しないことを祈るばかりです。コレを読んでいて、
まさに命に迷っている人、あなたにはあなたに適した居場所はちゃんとあります。
そういう人を見かけた人、声をかけて誰からも放置されないようにしましょう。
必ずあなたを見捨てない人は、世の中に存在する
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