[更新]5月28日 閣議決定された第二次補正予算により、売上が減少した企業に向けた家賃支援給付金の中身が明らかになってきました。 |
売上減少に伴う企業の厳しい状況において、固定費の負担軽減は大きな課題になっています。その中でも小売などでは「家賃の減免」や「家賃補助」を求める声が多数聞かれます。
こうした声を踏まえ、やっと与党での協議が進み、現実的な施策が検討されてきました。
家賃支援給付金で家賃3分の2を半年間助成の中身は?
2020年5月28日時点において、閣議決定される方針は次の通りです。
「家賃支援給付金」は、ことし5月から12月の間で、去年の売り上げと比べてひと月で50%以上減少したか、連続する3か月で30%以上減少した事業者が対象です。賃料の3分の2に相当する額を中堅・中小企業はひと月当たり50万円、個人事業主は25万円を上限に、半年分、現金で支給します。
NHKニュース 2020年5月28日 更新
この給付金は、特例条件がついていて、特に飲食店などで複数店舗を営業している店を想定していると思われますが、上限は300万円のところ、複数店舗を持つ事業者に対しては特例として600万円とされています。
名称は「家賃支援給付金」で全業種対象
新型コロナウイルス感染症の拡大を契機とした自粛要請等によって売上の急減に直面する事業者の事業継続を下支えするため、固定費の中で大きな負担となっている地代・家賃の負担を軽減することを目的として、テナント事業者に対して「家賃支援給付金」を支給します。
実際の制度の中身(閣議決定▶国会審議へ)としては、
給付対象者 | 中堅企業、中小企業、小規模事業者、個人事業者等であって、5月~12月において以下のいずれかに該当する者に、給付金を支給。 ①いずれか1カ月の売上高が前年同月比で50%以上減少 ②連続する3ヶ月の売上高が前年同期比で30%以上減少 |
支給日 | 6月中の支給開始を念頭▶遅れる可能性大! ※もしかしたら、持続化給付金の支給決定ハガキで迅速審査の可能性も? |
支給期間 | 年内の6カ月分を給付する(=7月給付の場合、12月分までの6ヶ月) |
支給金額 | 中堅・中小企業が月額上限50万円、個人事業主が同25万円を6ヶ月間 ※ただし、複数店舗をもつ事業者は、特例として上限を600万円とする(100万円❌6ヶ月?) 申請時の直近の支払家賃(月額)に基づき算出される給付額(月額)の6倍(6カ月分)を支給。給付率・給付上限額は下図の通り。 |
これにより、例えば、中堅・中小企業の場合、家賃が月75万円のテナントは満額の50万円で総額300万円が給付される計算となるとのこと。支給までの当面の家賃支払いには政府系や民間の金融機関による無利子・無担保融資を活用して欲しいということです。
給付金の支給イメージについて、支援パンフレットの5月28日18時更新版にて記載されていたグラフがあるので、転載します。
これによると、法人の家賃が75万円の場合、上限額50万円(2/3)が支給対象。給付上限を超えた場合には、上限を100万円までとし、1/3の給付率で支給。ちょっと計算をわざとわかりにくくしているような印象もありますが、複数店舗や高い家賃を支払っているなどの特例条件が無い限りは、「家賃の2/3で、月額50万円が上限」と理解しておけばよいでしょう。
例えば仮に試算してみると、
月額家賃 | 2分の3の月額 | 支給額(×6ヶ月分) |
4万円(レンタルオフィスを想定) | 26,666円(2/3) | 月額26,666円(×6ヶ月分:159,996円) |
10万円(ワンルーム想定) | 66,666円(2/3) | 月額66,666円(×6ヶ月分:399,999円) |
20万円(事務所or小規模店舗想定) | 133,333円(2/3) | 月額133,333円(×6ヶ月分:799,999円) |
50万円(中小企業事務所or中堅飲食) | 333,333円(2/3) | 月額333,333円(×6ヶ月分:1,999,999円) |
120万円(一等地オフィス) | 800,000円(2/3) | 月額500,000円(×6ヶ月分:3,000,000円) ※上限50万円適用のため |
個人事業主は上限が月額25万円となる以外は、基本的な考え方は法人と同じです。
フリーランスや個人事業主はどうなる?
与党案の中に「中堅・中小企業」と「個人事業主」と記載があるので、持続化給付金を申請できたのであれば対象になると思われますが、小規模事業者・フリーランスな働き方にとって見れば、次のパターンがどんな支給内容になるか気になる所
ケース1 平米按分で家賃を自宅で計上している場合▶根拠資料としての覚書や資料が必要
ケース2 レンタルオフィス・シェアオフィスの月額支払の場合▶契約書や支払っている納付実績等
ケース3 別法人を間借りし、家賃を支払っている場合▶契約か覚書の実態があるか
これらのケースが当てはまるのであれば、例えば月額4万円のバーチャルオフィスを借りている場合、26,666円(月額の3分の2)が支給となり、6ヶ月で約16万円の補助となります。結構無視できない金額になると思います。
申請に必要な書類や要件が出てきたら、早速確認したいところですね。支給を6月からと政府は考えているようですが、申請にあたっての証拠書類の確認に時間がかかるとの懸念があり、最短でも7月下旬での支給になるのではないかといわれています。何より、令和2年度第2次補正予算の成立が前提となっていますから、正式発表を待ちましょう。
そして、これら給付金が立て続けに出ることは「入り」のキャッシュとしてはよいですが、確定申告時に「課税対象」となっていれば当然その分税金がかかります。
いまから入るお金と年次決算の推移を試算し、課税によって再び資金繰りが悪化にならぬよう注意をしたいものですね。
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